腸活でダイエット!腸内フローラ、痩せ菌、デブ菌の話
2023/07/30
「腸活」とは、腸内環境を整えて腸が持つ本来の力を取り戻し、健康な体を目指す活動のこと。もともとは便秘や下痢などの悩みを持つ人や、美容に関心のある女性たちが注目し始めた「腸活」ですが、最近では、腸は免疫や肌の美しさ、ダイエット、メンタルヘルスなど体のさまざまなことに深く関係していることが分かってきています。腸活は健やかな毎日を過ごすために大切だと広く認識されるようになりました。
目次
1.腸内環境とは?
腸内環境とは、腸のなかの細菌を含めた、腸内全体のことを表します。
私たちの腸の中には100種類から3000種類の細菌が存在していて、その数は実に100兆個から1000兆個、総重量は約1.5〜2kgになります。そして、私たちが排泄する便は食べた物の残渣と思われがちですが、約半分は腸内細菌かまたはその死骸によって構成されているのです。
細菌は種類や性質によって集まり、腸の中で生態系を作り、毎日活動しています。その様子が品種ごとに並んだ「お花畑(Flora)」に似ていることから「腸内フローラ」とも呼ばれることもあります。
『腸内フローラ』は健康に関わる、3つの役割を担っています。
1.消化できない食べ物を身体に良い物質へ作り変える
2.腸内の免疫細胞を活性化し、病原微生物(ウイルスや菌など)から身体を守る(腸のバリア機能向上)
3.「腸内フローラのバランス」を保ち、健康を維持する
健康へ導く「腸内フローラのバランス」ですが、実は腸内細菌の種類が関係しています。正式名称は「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」です。
腸には病原菌から体を守る免疫細胞の約70%が存在する他、免疫力を高める機能も備わっています。
また腸と脳とは多数の神経細胞でつながり、お互いに影響を与え合う「腸脳相関」の関係にあるので、腸の調子が良ければ身体に良い影響を与えくれるのです。
逆に調子が悪いと身体全体に悪影響が及びます。
2.痩せ菌、デブ菌について
私たちの腸内にいる善玉菌と称されるものは、ビフィズス菌、乳酸桿菌、腸球菌などです。一方、悪玉菌と称されるものには、ウェルシュ菌、フラギリス菌、クロストリジウムなどががあり、これらの細菌も常在菌として誰もが持っています。その他、バクテロイデス、非病原性大腸菌、ユーバクテリウムなどの日和見菌と称される細菌が存在し、腸内環境によって善玉菌として振る舞ったり悪玉菌として振る舞ったりしています。健常人では善玉菌、日和見菌、悪玉菌がおよそ2:7:1の比率で存在していますが、加齢や食生活によってこの比率は変わってきます。
デブ菌は脂肪を溜め込む「フィルミクテス」、やせ菌は脂肪を燃焼する「バクテロイデス」。腸内にフィルミクテスが多い人は太りやすく、バクテロイデスが多い人はやせやすくなります。
“食べてないのにすぐに太ってしまう。太る体質だから仕方がない”と先生に言うと、“そんなはずはない、食べ過ぎです”と怒られたと言う話はよくあることです。でも、実は腸内にいるヤセ菌、デブ菌のせいかもしれないのです。バクテロイデスがヤセ菌の一つ、ファーミキューテスがデブ菌の一つということが分かっています。このバクテロイデスやファーミキューテスは特殊な菌ではなく、誰もが持っている日和見菌の中の一つに過ぎません。他にもヤセ菌やデブ菌として働いているものが存在しているようですが全てはまだ分かっていません。ヤセ菌、デブ菌を使った実験があります。無菌マウス(無菌環境で飼育され腸内細菌を持っていないマウス)に、片方が肥満、片方がやせている双子女性から採取した腸内細菌を移植したところ、同量のエサを与えたにも関わらず肥満女性から採取した腸内細菌を移植されたマウスの体重が重くなったのです。私たちの腸内細菌が、いつ、どのようにして入ったのかは定かではありませんが、同じ家族内で親から子へ移ってしまう(感染する)可能性は高いはずです。太る体質というのは、実は、家庭内で感染したデブ菌のせいかもしれないのです。
ヤセ菌がいるとなぜ痩せるのでしょう。それは、ヤセ菌が作る短鎖脂肪酸のおかげでした。短鎖脂肪酸は食物を腸内細菌が分解してできるもので、酢酸、酪酸、プロピオン酸などがあります。短鎖脂肪酸は、体内の脂肪細胞のインスリン感受性を低下させ、その結果、脂肪細胞への脂肪蓄積を抑制させます。一方、筋肉や肝臓ではインスリン感受性を増加させエネルギー消費を増加させてくれるのです。すなわち、体内の短鎖脂肪酸の量を増やせば痩せることができるのです。では、どのようにして短鎖脂肪酸を増やせば良いのでしょう。酢酸である酢をたくさん飲んだらどうでしょうか。ある程度の効果はあると考えられますが、外から摂取した酢は体内ですぐに分解されるため、効果は一時的なものに留まってしまいます。また、酢そのものを多量に摂取すると歯の表面のエナメル質を溶かしてしまう原因になってしまいます(酸蝕歯)。それでは、ヤセ菌そのものを取り込んではどうでしょう。残念ながら、ヨーグルトなどで取り込んだビフィズス菌やバクテロイデス菌は腸内に定住することはできません。ですから、効果は一時的なものに留まります。また、ビフィズス菌やバクテロイデス菌の菌株によっては効果が異なることもあります。最近、ある種の疾患の患者さんに対して健常者の便を移植する糞便移植/便微生物移植が行われています。この手法を用いて痩せている人の便を移植する方法も考えられますが、まだ安全性などの未解決な部分が残されています。
3.腸活のメリット
①便秘になりにくい
腸内環境は便通と大きく関係していると考えられます。
便秘とは、便の水分量が少なく硬くなったり、便の通り道が狭くなったりして便通が悪くなる状態をいいます。
便秘になるとただ排便が困難になるだけでなく、おなかが張ったり、食欲不振や腹痛になったり、肌荒れしてしまったりと全身に悪影響を及ぼします。
便秘を予防・改善するためには善玉菌を増やし、腸内環境を整え、腸のはたらきを良くすることが重要です。
②下痢になりにくい
下痢の予防・改善のためにも、腸内環境を整えて大腸を健康に保つことが重要です。
下痢とは、便中の水分が異常に増加し、便が柔らかくなりすぎている状態のことをいいます。
便に水分が少なすぎる便秘と、水分が多すぎる下痢の状態は一見正反対のように見えますが、原因は同じ腸内環境かもしれません。
便は大腸内で食べ物のカスと消化液が混じったドロドロのものから水分が吸収されることによって作られます。
大腸が水分を吸収しつつ便を肛門に送り出す運動に異常があると、水分がうまく吸収されず下痢になってしまうのです。
善玉菌は腸内フローラのバランスを整え、腸の働きを正常に保つため、腸内環境の悪化が原因の下痢を改善できると考えられます。
③免疫力が上がる
外部から入ってくるウイルスや細菌から体を守るのが免疫。腸には、体の免疫細胞の70%が集まっていて、これを「腸管免疫」と呼びます。口や鼻からウイルスや細菌が入ってくることが多いため、これらの外敵から体を守るための免疫部隊です。
腸内細菌が免疫細胞のサポートもしているので、腸内環境を整えることは体の免疫力アップにもつながります。
④基礎代謝が上がり太りにくくなる
腸内環境がよいと、栄養をスムーズに吸収することができるので、体の隅々に栄養が行き渡りやすくなります。
代謝の役割を担っている肝臓にも栄養が効率よく運ばれて活発に働けるようになるので、代謝が上がります。そのほかの内臓も正常に働くので体温が上がり、カロリーが消費されやすい体になります。
4.腸活の方法
1 食事 発酵食品がおすすめです。
・ヨーグルト
乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を食品で摂ることができるので、腸内フローラのバランスを整えて腸内環境を改善することができます。 最近では、さまざまな機能性を持った菌種で発酵したヨーグルトがありますから、自分の目的にあったものを選んでみましょう。
・海藻類
わかめ、寒天などの海藻類は、食物繊維が豊富。
海藻類の特徴は、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」を両方含んでいることです。
水溶性食物繊維は、大腸のビフィズス菌や酪酸菌などの善玉菌のエサになる他、ミネラルの吸収をよくしたり、食物の消化吸収を穏やかにする作用があります。
不溶性食物繊維は、便を送り出す腸のぜん動運動を促す作用のほか、便の量を増やす作用も持っています。
便秘の場合、不溶性食物繊維だけを摂ると、逆に悪化する場合があり、水溶性食物繊維だけ摂ると下痢をする場合がありますが、海藻は2種類の食物繊維を含んでいるので、腸内環境を整えるのに最適です。
・キムチ
白菜やきゅうりなどを発酵させたキムチは、生きて腸まで届く乳酸菌が豊富。食物繊維も摂れるため、腸内環境改善に期待できます。
ただし、あまりに辛いものは胃腸の刺激になるので注意を。
・納豆
納豆に含まれる納豆菌は、元々土壌に含まれる枯草菌の仲間で、腸内環境の改善に役立ちます。
大豆のタンパク質やイソフラボンも摂れるので、とても栄養価の高い食品です。大豆に含まれる食物繊維は、腸内細菌のエサになりやすい種類です。
腸内環境を整えるなら、キムチやメカブなどの食材と組み合わせるとなお◎。
・ぬか漬け
植物性の乳酸菌や酵母が含まれるぬけ漬け。発酵によりビタミン類やミネラル類も増えるため、生野菜よりも栄養価がアップできるといわれます。 毎食、少しずついただくのがおすすめです。
・味噌
大豆を発酵させて作る味噌には、麹菌や酵母菌、乳酸菌などが含まれており、腸内環境を整える作用があります。
特に、味噌汁は発酵食品の味噌と、食物繊維豊富な野菜やキノコ類を掛け合わせて作る最強の腸内環境改善メニュー。毎朝、1杯のお味噌汁は腸活に最適です。
・塩麹や醤油麹
発酵食品を食べるのはもちろん、調味料も発酵調味料にすると、腸内環境を整える作用がよりアップします。
使い方はかんたん、塩の代わりに塩麹、醤油麹を使うだけ。ドレッシングの味付けにも塩麹や醤油麹を使って作れば、発酵メニューにグレードアップ。炒めものやスープにも活用できます。
・甘酒
飲む点滴と言われるほど栄養価が高い甘酒は、お米を発酵させていて、腸内環境を整える作用もあります。
甘酒は、ビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖、食物繊維と似た働きを持つレジスタントプロテインを含んでいます。また、植物性セラミド「グルコシルセラミド」には善玉菌を増やす効果が。
あまくておいしい甘酒は、食欲がない時の朝食代わりや手軽な腸活おやつとしてぜひ活用を! ブドウ糖も含み糖質が多いので、血糖値の上昇には注意が必要です。
・きゃべつ、たまねぎ、ごぼう、りんご、ぶどう、バナナ(オリゴ糖を含む野菜や果物)
オリゴ糖はビフィズス菌など大腸の善玉菌のエサになる栄養素。これらの野菜や果物には、オリゴ糖が含まれているほか、食物繊維も豊富です。
腸内環境を整える栄養素がたっぷり含まれた食材は、積極的に食事に取り入れましょう。
・豆腐、きなこ、豆乳(大豆製品)
大豆にもオリゴ糖が豊富に含まれています。オリゴ糖は小腸から大腸まで届き、腸内の善玉菌を活性化してくれます。
大豆イソフラボンが大腸のエクオール産生菌に代謝されると、女性ホルモンの不足による女性特有のゆらぎに役立ちます。
大豆製品は、毎食摂り入れたい食品です。豆腐は味噌汁の具や副菜として食事に、豆乳やきなこは混ぜておやつ代わりにも。ヨーグルトにきなこをかけて食べるなどアレンジも自在です。
・チーズ
ヨーグルトほど乳酸菌は多くありませんが、チーズも乳酸菌を含む発酵食品です。 フランス料理では、消化を促すため食後に熟成したチーズを食べます。
腸内環境を整える作用を期待するなら、しっかりと発酵したパルメザンやカマンベールなどの熟成タイプを選びましょう。
プロセスチーズは、ナチュラルチーズを原料にして作られた加工食品で、加熱殺菌により乳酸菌や発酵食品に含まれる酵素が失われています。
2 運動
腸内環境を悪化させる原因は、食べ物だけではありません。生活習慣や精神面も腸に大きく影響します。
気持ちが良いと思える範囲の適度な運動は、全身の血流をよくし、自律神経のバランスを整え、腸内環境を整える作用があります。
散歩やストレッチなどの軽めの運動のほか、お腹に刺激を与えるために腹筋を鍛えるのもおすすめ。
激しい運動はストレスになり、腸内環境には逆効果です。無理のない範囲で続けられる運動を見つけましょう。
3 睡眠
脳と腸は、互いに影響し合う関係であることがわかっており、これを「脳腸相関」といいます。緊張やストレスでお腹の調子が悪いのは、脳と腸が深く関わっているからです。
睡眠は、脳の疲労を取るための大切な時間。脳をしっかり休ませて機能を回復させることで、腸内環境を整えることができると考えられます。
十分な睡眠時間はもちろん、ぐっすり寝てスッキリ起きられるように寝具を見直すことも、腸内環境の改善に繋がります。
5.”温活”と”腸活”のW効果でカラダの中から健康に!!
”温活”をすると、腸の働きが活発になりますが、腸の働きが活発になっても悪玉菌ばかりでは腸内環境が整っているとも言えないため、
”温活”で腸を元気にしてフル稼働させることができている時にこそ”腸活”で腸に嬉しい菌をたくさん取り入れることで健康なカラダづくりに繋がるのです。
”温活”も”腸活”も、どちらか一方でも効果はありますが、どちらも同時に行うことで”温活”で体を温めて巡りを良くし”腸活”で腸内環境を整えて不要なものを出し、カラダの正常な循環のサイクルが生まれます。
この繰り返しで、効果的に体質を改善することに繋がります。
Luluonnは最高の温活です。乳酸菌サプリもありますので、腸温活ですね。
腸活だけでうまくいかなかった方はぜひ温活と腸活を同時に試してみてください♪
腸内環境を整えることは、免疫力のアップ、脳への影響など、私たちの体全体の健康につながることがわかっています。
規則正しい生活をベースに、腸によい食品を食事で摂取、適度な運動をし、質の良い睡眠を取ることです。
それらの生活習慣全体が、腸に大きく影響するため、できるところから少しずつ腸内環境を整える生活にシフトしていくことが大切。
どれも続けることが重要なので、自分にとって取り入れやすいところからはじめると習慣になりやすくなります。
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