冷え性、冷え症
2023/07/25
冷え性とは、血流が悪くなることで起きてしまう症状の一つです。血行が悪くなると身体に必要な酸素・栄養素が行き届かなくなってしまうだけではなく、蓄積されている老廃物も排出されなくなります。そのため、冷え性になると色々な不調が現れやすくなります。中でも、「手足の冷え」はよく見られる不調の一つです。冷え性は血行が悪くなっている不調サインなので、見逃さずにきちんと対策して、身体を温めましょう。
目次
「冷え性」と「冷え症」の違い
「ひえしょう」は、「冷え性」と「冷え症」の二種類に分かれます。
「冷え性」とは、検査や診断時では特別な異常が現れていない状態にもかかわらず、身体が冷えている状態のことをいいます。西洋医学上では「冷え性」を疾患名として認めていないため、「手足の冷え」や「ゾクゾクするような寒気」などの症状がみられても、「冷え性」という体質として認識しています。
東洋医学の場合では「冷え症」といい、治療が必要な症状として扱っています。
以下の方は隠れ冷え性の可能性があります。
・手足がほてる
・顔から汗をかくほど暑いのに、手足は冷えている
・手足がむくむ
・下半身太りが気になる
・お腹を触ると冷たい
・さまざまな健康法やダイエット方法を試したが、効果がない
どちらにしても、冷えはほっておいて良くなることはありませんので、早めに対処しましょう。
冷え性の症状
冷えの症状は、体だけでなく心にも不調があることを知らせるバロメータです。
ここでは、冷えによる症状を身体症状、精神症状、美容面、免疫力の4種類に分けています。
1.身体症状
首や肩のコリ、頭痛、腰痛、肥満、倦怠感などがあります。その他にも疲れ・関節痛・めまい・便秘・下痢・耳鳴り・月経痛・アレルギー・ほてり・動悸など、さまざまな症状が見られるでしょう。
2.精神症状
イライラ、やる気が起きないなどがあげられます。
3.美容面
ニキビ、乾燥肌、かゆみなどです。肌だけではなく髪にも影響があり、白髪、抜け毛、薄毛も気になるところです。
4.免疫力
冷えのため体温が低下することによって免疫力への影響も起こりえます。免疫力が低下することで、インフルエンザをはじめとした感染症にかかりやすくなったりします。
冷えがひどかったり、冷え以外でも気になる症状があったりする場合は、大きな病気が隠れている可能性もあります。
早めに専門医に診てもらいましょう。
冷え性(冷え症)の原因
血行が悪くなることで血液が毛細血管に流れなくなってしまうのが原因です。血管が収縮することによって、手足が冷えてしまいます。手足は心臓に遠い位置にある上に、身体が重要な臓器のある胴体や脳へ血行を確保しようと働くので、どうしても手足の血流は悪くなりがちです。
1.筋力の低下
運動不足が続いてしまうと筋肉が劣れてしまい、血行が悪化します。とくにふくらはぎは血液を心臓に戻すためのポンプとして機能しています。ふくらはぎの筋肉が落ちてしまうとポンプ機能も衰えてしまうので、きちんと運動する習慣を作りましょう。
2.基礎代謝の低下
生命活動を行うのに欠かせない、必要最低限のエネルギーを「基礎代謝」といいます。基礎代謝が低くなると体温が低くなり、冷え症が起きやすくなります。
3.食生活
栄養バランスが偏った食習慣が続いてしまうことでミネラルやビタミン不足になりやすく、血の巡りが悪くなります。
4.鉄分不足
鉄分不足は生理のある女性がなりやすいです。また、過度なダイエットなどが原因で鉄分不足に陥ってしまい、冷え症を引き起こしてしまいます。
鉄分不足は冷え症だけではなく、体調不良や倦怠感なども発生します。
5.ストレス
緊張すると血行不良が起きやすいため、そこから冷え症になりやすいです。
6.自律神経の乱れ
身体の体温をコントロールしているのは自律神経です。近年はエアコンなどの影響で季節関係なく、快適に室内で過ごせるようになった結果、気温に対する感覚が鈍くなり、自律神経が乱れやすくなりました。
また、腸の運動も自律神経によって左右されものです。そのため自律神経が乱れると下痢・便秘も起きやすくなり、基礎代謝も低下してしまい、冷え症へ繋がってしまいます。
7.喫煙
喫煙習慣があると血管が急に収縮することが多くなるので、冷え症が起きやすくなります。
冷え性には生活習慣が深く関わっています。
冷え性(冷え症)のタイプ
冷えにはさまざまな原因が絡んでいます。そのため冷え症のタイプによって、対策方法がそれぞれ異なります。
①手足が冷えるタイプ ―四肢末端型―
10代から20代の女性に多い冷え症です。とくに過度なダイエットや栄養不足が原因であることが多いです。このタイプの冷え症は、ただ手足を温めるだけではなかなか改善されません。ほかの症状として、肩こりや頭痛もよく起きます。
まずは内臓を温めることを意識して、お腹や腰などの保温を心がけて身体全体に温かさを伝えるようにしましょう。
②下半身全体が冷えるタイプ -下半身型-
姿勢の悪さや長時間のデスクワークなどが原因で起きやすいです。骨盤のゆがみが原因で下半身の血行不良が起きてしまい、冷え症になるタイプです。
入浴・下半身浴、こまめなストレッチなどを行い、代謝を良くしましょう。
③全体が冷えるタイプ -全身型-
基礎代謝の低下が原因で、身体全体が冷えてしまうタイプです。倦怠感や風邪をひきやすい、すぐお腹を下すなどの症状が見られます。ほかの症状と比べ、手足の冷えはさほど目立ちません。
冷え症である自覚症状があまりないのですが、免疫力が低下していることもあるので、見逃さず対処しましょう
④内臓が冷えるタイプ -内臓型-
自律神経の異常が原因で手足の血管が収縮できなくなり、内臓に血液が行き届かなくなるため、内臓が冷えてしまうタイプです。おもにストレスが原因で起きやすい冷え症だと言われています。 このタイプは手足の冷えが発生していないケースもあるので、冷え症と自覚できないことがあります。しかし下痢や倦怠感、風邪などの症状は、このタイプの冷え症だと考えても良いです。体を温める食べ物を摂取することで、内臓の冷えを予防しましょう。
当サロンでは、Luluonnと水素足湯、テラキューブ深部リンパマッサージなどを行います。冷えには効果的です。
冷え性(冷え症)改善
まずは身体全体を温めるために、血行改善へ努めていきましょう。西洋医学における治療法では、ビタミンEの投与や、血管拡張剤の処方を行います。生活習慣の改善も効果的です。
1.入浴
できれば毎日、ぬるめのお湯にじっくり浸かって、汗ばむくらいまで温まってください。少し長めにお湯につかるといいでしょう。副交感神経が優位となり血管が拡がり、血行が良くなるだけでなくリラックス効果もあります。また、入浴後は冷えはじめる前に靴下を履くなど冷えない工夫をしましょう。半身浴も効果的ですが、お湯が冷めやすいため注意してください。
2.運動
運動している時にも全身の血行は改善しますし、筋力がアップすることでも血行が改善します。血行が良くなると酸素と栄養素が全身に行きわたって老廃物の排出もスムーズになり、新陳代謝が促進し、体温も高くなって基礎代謝もアップします。
ハードな運動は特に必要ではなく、キビキビと歩く程度のウォーキングを習慣化するくらいで十分です。日常で歩く距離を少しだけ増やす程度でも、毎日行えば効果が現れます。
また、ストレッチはこわばった筋肉をほぐして血行を改善させますので、仕事の合間や就寝前に軽いストレッチを取り入れるようにしてください。特に、就寝前のストレッチは、血行が良くなり体温も上がるため、ぐっすりと眠ることができます。
3.食べ物・飲み物
東洋医学では、食品を「陽性(身体を温めるもの)」と「陰性(身体を冷やすもの)」、そして、どちらでもない「中性」の3種類に分類しています。冷え性の方には、「陽性」の食材の摂取がおすすめです。
「陽性」の食べ物:生姜やネギ、ニンニク、ごぼうなどの根菜類(寒い土地でとれる野菜はたいてい陽性です)。スイカの皮(シトルリンを多く含んでいます)や胡麻、黒豆、小豆などの黒い物。
「陰性」の食べ物:トマトやキュウリなど生食できる野菜。砂糖や合成甘味料などの白い物、バター、マーガリン、スナック菓子やチョコレートなどの嗜好品。
「中性」の食べ物:玄米や麦などの穀物
陽性の食品を意識して摂ることは大事ですが、基本的に陽性・陰性・中性の食品をバランスよく摂取することが重要です。陰性の食べ物がお好きな場合は、スープやみそ汁など温かい料理で使うのも良いでしょう。 そして、水分補給は重要ですが、冷たい飲み物は身体を冷やしてしまいます。そのため、夏でもできるだけ温かいもの・常温のものを飲んでください。特に、朝は身体の水分がとても少ない状態のため、白湯など温かい飲み物を飲む習慣を作ってみましょう。
身体を温める飲み物、冷やす飲み物はおもに、以下の通りです。
体を温める飲み物:紅茶やほうじ茶、ウーロン茶、ココア、生姜湯など
体を冷やす飲み物:コーヒーや緑茶、ジュース、牛乳、水、アルコール類
4.マッサージ
指先のマッサージを行うと、指先の血行が良くなり、肩こりや疲れ、倦怠感が取れやすくなります。体温が上がるため、いつもより丁寧にマッサージする習慣を作りましょう。
5.呼吸
腹式呼吸を行うと副交感神経が働いたり基礎代謝がアップしたりします。お腹に空気を少しずつ送るようにイメージしながら、ゆっくり息を吸っていき、吸う時より時間をかけて息を吐きだしてみましょう。1日5分だけ行ってみるのも良いでしょう。
6.その他の生活習慣
①1日のはじまりに「コップ一杯のお水(または白湯)」
まず起きたらすぐに、「常温水」を飲みましょう。また、交感神経が刺激されるので、基礎代謝アップや目覚めの良さにも効果的です。
②「エスカレーター」から「階段」へ
朝だけ(または夕方だけ)でも良いので、少しでも通勤路で階段を利用したり歩く時間を増やしたりするタイミングを作ってみましょう。
「歩くだけ」、「階段を上り下り」するだけでも、筋肉は使われます。無理のない範囲で運動する習慣を作ってみましょう。
③座り作業が多い時は「ひざ掛けを」お供に
長時間座りっぱなしで仕事し続けると血流が悪くなりやすいです。夏には冷房もあるので、オフィスは冷えやすい環境になります。そのため、季節を問わず、デスクにはひざ掛けなど、身体を温められるグッズを置いておきましょう。
「頭寒足熱」という言葉があるように、足元を温めることは集中力アップにもつながります。
④食事は「身体を温める食材」を意識して選ぶ
ランチには、玉ねぎやかぼちゃ、いんげんなど、身体を温める食材が入っている料理・お弁当などを選んでみましょう。また、チーズのような発酵食品もお勧めします。お弁当の方は、料理の味付けに生姜、黒砂糖を活用してみるのも良いでしょう。
⑤仕事や長時間の作業は、休憩をとる
休憩中には「身体に触れて、疲れをとろう」
だんだんと疲れが溜まってくる夕方には、身体をほぐして温めてくれるツボ押しがおすすめ。特にふくらはぎや足首周りには冷え性に効果的なツボが集まっています。
➅緊張する場面では「深呼吸」で心身を整える
緊張しやすい場面では、意識しなくても呼吸が浅くなりがちです。呼吸が浅くなったり緊張が続いてしまったりすると、交感神経が過度に働いてしまい、血流が悪くなりやすくなります。これも冷えの原因の一つと言われています。
呼吸が浅くなりやすい場では、「深呼吸」を意識してみましょう。呼吸を整えることで酸素をたくさん体内に入れることで、身体の細胞が活性化し冷えを予防できます。深呼吸にはリラックス効果もあるので、冷え性対策と併せて一石二鳥です
➆お食事や飲み会の「お酒の選び方」
基本的にお酒は陰性の飲み物です。「どうしても飲みたい」と思ったときは、「黒ビール」または「赤ワイン」を選んでください。飲み方も一気に飲むのではなく、少しずつ飲みましょう。お酒を飲む前には、温かい飲み物を先に飲んでおくこともおすすめです。
⑧1日の終わりには「ゆっくり身体をほぐそう」
就寝前には「足首の締め付けが少ない靴下をはく」「ストレッチを行う」ことで、身体をリラックスさせておきましょう。
また、寝る前に何か飲むときは、温かいハーブティーやノンカフェインの飲み物を飲むようにしましょう。
知識は知っているだけでは体は変わりません。できることから実践しましょう。
冷えにくい体質に
冷えはあらゆる症状をまねきますが、検査しても明らかな異常が見つからないことも珍しくありません。しかし、専門医での診察を必要とする疾患が原因となっている冷えもあることから、気になる症状がある場合は、早めの受診がおすすめです。
冷えにくい体をつくるには、運動によって筋肉量を増やす、体を温める食材の積極的な摂取、ゆっくりと湯船につかった入浴をするなど、生活習慣の改善を行なうことが必要です。
適度な運動やバランスのとれた食事による生活習慣は、あらゆる病気の予防にもつながるため、これを機にこれまでの習慣を見直してみてはいかがでしょうか?
Luluonn(ルルオン)は冷え性の体質改善にはおすすめです。
冷え性にお悩みの方、温活に興味のある方は、高岡市のエステYOSAPARK美優へどうぞ。